平成13年 ホンダ バモス GF-HM2 走行距離

車検入庫にてリヤブレーキ分解点検を実施。
リヤホイールシリンダ回りに油分のベタつきがありました。

リヤカップの摩耗による漏れ、もしくは劣化進行度によるホイールシリンダ内傷損傷が考えられるため、急遽オーバーホール(分解整備)。
先ずライニング部分を半脱着し、ホイールシリンダよりピストン、カップ(ゴム)とダストブーツ、内部スプリングを取り外します。

残ったホイールシリンダがこちらです。

ホイールシリンダ内部の段つきとひっかかりを目視と指にて診断を実施しました。

今回はホイールシリンダ周辺のベタつきなので、ホイールシリンダ交換までは行かないと予測して取り掛かり、確認の意味で上記診断を実施しました。

酷い場合はホイールシリンダごと交換となり余分な費用が発生していまいます。
あまりにも酷いとライニング交換に至ってしまうケースがありますので、車検だけでなく12ヶ月点検も推奨しておりますのでご利用ください。
下部に置いてあるゴムがカップで、このゴムのセットがカップキットです。

このゴムの断面は画像にあるよう横台形状になっており、ブレーキを踏むと両サイドに台形の広い方が両端内側に設置してあるため、油圧を受けて画像の状態だと左右へ移動します。
その後ブレーキを離すと油圧が解放され、ライニングからの戻りで右側へ移動します。

先ほどのバネ(内部スプリング)があるので、一定距離の移動で止まる仕組みです。
このカップゴムを移動させるので、グリスによっての抵抗の低減を図ります。
ブレーキフルードの材質変化への影響力も少なく、ゴムへの負担も軽減させ、摩擦抵抗の低減できるカップ専用グリスが必要です。
このピンクのグリスがカップグリスです。

このグリスは最近でこそチューブ自体の素材が良くなり、そのまま使っても問題ないですが、昔の物はチューブの表面塗料がブレーキフルードに触れるため、化粧塗料が剥がれてしまい、これがフルード内部に混入するとフルード成分に影響を与え、不具合を発生させるため表面塗料が剥がれたり、触れないようにガムテープでテーピング保護をしていました。

このグリスを画像のように盛り込み、ゴムを被せ、はみ出たグリスをゴム回り一周をきれいに引き延ばすことでゴムの抵抗を軽減させます。
このゴムとダストブーツを組み替えて、各ブレーキパーツを復元すれば完了となります。

このバモスのカップキット交換は
部品代 1,425円
工賃通常交換 9,400円(車検時同時作業で7,800円)

早めの交換も一層安心かと思いますので、定期交換をお勧めします。
気になる方はスタッフまでお気軽にどうぞ。

 岩倉セルフステーション
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