お客様より「ブレーキ踏むとゴーーーっとすごい音がする」という連絡があり、即入庫しました。
到着するなりチェックすると確かにブレーキ踏むとゴーっと言う音とペダルに伝わってくる細かい振動、そしてブレーキがかかっているような速度の落ち方。
早速外してみますが、異様にタイヤが熱い、そしてタイヤを外すと近づきづらいほどの熱気を浴びます。ブレーキがかかったまま走行していたということです。
ほぼブレーキピストンの固着は間違いないだろうという判断ですが、それよりもよくここまで自走してきたなというくらいの非常に危険な状態でした。
当然ブレーキがかかった状態で走行をしてきたわけですので、ブレーキパッドは残っていません。異変に気が付いたのが比較的早く気づいてくれたこともあって、ブレーキローターの削れ程度で済んでくれたのは幸いでした。
問題のブレーキピストンを見るためにキャリパーを外します。今回は左に問題がありましたが、製造から15年近い車のため万全を期すためにもう片側も交換します。
ブレーキピストンが固着していた原因がまさにコレです。
パッキンそのものはゴムでできているのですが、見事に穴が開いてます。そしてリング周辺には無数のクラックが発生しています。穴が開いてしまったことで異物が侵入し、固着を招いてブレーキが常にかかりっぱなしになっていたことになります。
かなりの熱にさらされてしまったので、ピストンの変形であったり、傷が入っていないかも心配しましたが、こちらは無事だったのでそのまま流用します。
新品のパッキンに交換します。ホントたったこの部品だけではあるんですが、これが破れてしまったりするととんでもないことになるんですね。当然バラさないと見えないところなので普段の整備ではなかなか見ないところです。
新品をはめこんでいくんですが、当然ピッタリサイズで作られているものなので、慎重にはめ込んでいきます。もちろんシワがよるなどもあってはいけません。実はこの地味な作業が時間がかかりなおかつ丁寧にやらないといけない部分でもあります。
ということで、今回はブレーキキャリパーのシリンダーパッキンのご紹介でした。
今回は車歴が15年を超えた車だったため、ゴムの経年劣化によるものではありましたが、中にはメンテナンス不足によってかなり早い段階でピストンシールからの漏れなど発生することがあります。
日ごろのメンテナンスはしっかりやって、経年劣化を早めないようにしてあげてくださいね。
今回の費用(三菱ミニキャブバン)
ヒストンシリンダーパッキン 2820円×2
ブレーキパッド 7700円
ブレーキフルード交換 5800円
作業工賃 19800円
パーツ価格・作業工賃は車種によって大きくことなります。
詳細は店舗スタッフへお声がけ下さい。
https://mitsuyu.co.jp/station/station-iwakura/